
SEO評価を落とさない!サイト移管を成長に変える「ウェブサイト」移行ロードマップ
ウェブサイトのリニューアルや移管は、ビジネスを加速させる絶好のチャンスである一方、非常に神経を使う「一大プロジェクト」でもあります。「リスクを最小化し、成果を最大化する」という視点で、重要なポイントを分かりやすくまとめました。分かりやすくするため、良く利用されているワードプレスからビヨンドウェブなどの新しいCMSや独自プラットフォームへの移行事例として解説します。
サイト移行で本当に守るべきもの
サイト移行で守るべきものは、単に「ページ本文」だけではありません。
本当に守るべきなのは、これまで積み上げてきた検索エンジン上の評価です。
たとえば、以下のような要素があります。
検索流入のあるURL
外部サイトからリンクされているURL
Googleにインデックスされているページ
カテゴリやタグによるサイト構造
ページタイトルやメタディスクリプション
本文内の内部リンク
画像のalt情報
FAQや商品情報などの構造化データ
更新日や公開日
canonical設定
noindex設定
移行時にこれらが失われると、見た目は同じサイトでも、検索エンジンからは「別物」として扱われる可能性があります。
そのため、サイト移行は「デザインリニューアル」や「CMS変更」ではなく、検索資産の移管プロジェクトとして考える必要があります。
STEP 1:既存サイトのURLをすべて棚卸しする
最初に行うべきことは、既存サイトの全URLを洗い出すことです。
WordPressの管理画面に表示されている投稿や固定ページだけを見ていては不十分です。実際には、カテゴリページ、タグページ、著者ページ、商品ページ、カスタム投稿タイプ、添付ファイル、PDF、画像URL、過去のLPなど、検索エンジンや外部サイトからアクセスされているページが多数存在することがあります。
特に確認すべきURLは以下です。
固定ページ
投稿記事
カテゴリページ
タグページ
著者ページ
商品ページ
商品カテゴリページ
カスタム投稿タイプ
LP
画像URL
PDFなどの添付ファイル
sitemap.xmlに載っているURL
Search Consoleで表示回数・クリック数があるURL
外部サイトから被リンクを受けているURLこの段階で、移行対象URLの一覧表を作ります。
旧URL
新URL
ページ種別
title
description
H1
canonical
index / noindex
検索流入
表示回数
被リンク有無
移行方針
リダイレクト要否この一覧表が、移行プロジェクト全体の設計図になります。
STEP 2:URLを維持するか、変更するかを決める
SEO移行で最も慎重に扱うべきものがURLです。
すでに検索流入があるURLは、可能な限り維持するのが基本です。
たとえば、旧サイトで以下のようなURLだった場合、
https://example.com/column/sample-post/新サイトでも同じURLを維持できるなら、それが最も安全です。
https://example.com/column/sample-post/一方で、新しいサイト構造に合わせてURLを変更する必要がある場合もあります。
旧URL: /2023/05/sample-post/
新URL: /article/sample-post/この場合は、旧URLから新URLへ301リダイレクトを設定します。
避けるべきなのは、多数の旧URLをまとめてトップページやカテゴリトップへ飛ばしてしまうことです。
悪い例:
旧記事A → トップページ
旧記事B → トップページ
旧記事C → トップページこれでは、各ページが持っていた評価や検索意図をうまく引き継げません。
理想は、旧ページと意味的に対応する新ページへ、1対1でリダイレクトすることです。
同じドメインを引き継ぐ場合はリダイレクトは必要ありません。
良い例:
旧記事A → 新記事A
旧商品A → 新商品A
旧カテゴリA → 新カテゴリASTEP 3:WordPressのデータを正しく取り出す
WordPressからデータを取り出す際、本文HTMLだけを移行すればよいわけではありません。
SEOを意識するなら、以下の情報も取得しておく必要があります。
post ID
post type
slug
title
本文HTML
excerpt
meta description
カテゴリ
タグ
アイキャッチ画像
画像alt
公開日
更新日
著者
公開状態
canonical設定
noindex設定
構造化データ
カスタムフィールド
内部リンク
添付ファイルURL特に、Yoast SEOやRank MathなどのSEOプラグインを使っていた場合、titleやdescription、canonical、noindexなどの情報がプラグイン側に保存されていることがあります。
それらを無視して移行すると、移行後にページごとのSEO設定が失われてしまいます。
また、WordPress本文には、以下のような移行時の落とし穴があります。
wp-content/uploads の画像URLが残る
ショートコードが残る
内部リンクが旧URLのまま残る
WordPress特有のclassが残る
H1が本文内に重複して残る
埋め込みタグが壊れる
画像altが失われるそのため、単純なコピーではなく、移行先に合わせた変換処理が必要です。
サイトが大規模で手作業で行うのが大変な場合、簡易システムやプログラムを作って自動化することも可能です。
STEP 4:新サイトの情報設計に合わせて再構成する
移行は、単に古いサイトを再現する作業ではありません。
むしろ、既存コンテンツを整理し直し、新しいサイトの成長につながる構造に再構成するチャンスです。
たとえば、WordPressでは「投稿」として管理されていた情報も、新サイト側では以下のように分解できるかもしれません。
記事
FAQ
商品情報
ナレッジ
LP
事例
カテゴリ説明
問い合わせ導線特に、本文内にFAQが埋め込まれている場合は、FAQデータとして分離することで、FAQページ、チャットボット、サイト内検索、営業資料などに再利用しやすくなります。
また、商品ページやカテゴリページを持つサイトでは、単なる商品一覧ではなく、検索意図に応えるページとして再設計することが重要です。
STEP 5:動的ページをSEO対象として設計する
サイト移行で見落とされがちなのが、動的ページのSEOです。
動的ページとは、データベースの内容やユーザーの選択に応じて生成されるページです。
たとえば、以下のようなページです。
記事詳細ページ
商品詳細ページ
カテゴリページ
サブカテゴリページ
タグページ
FAQページ
商品一覧ページ
業種別ページ
用途別ページ
LPこれらのページを検索対象にしたい場合、重要なのは、初回HTMLに主要コンテンツが含まれていることです。
つまり、ページを開いたあとにJavaScriptでAPIを呼び出して、後から本文や商品一覧を表示するだけでは、SEO上不安定になる可能性があります。
SEO対象ページでは、サーバー側で以下を生成しておくべきです。
<title>ページ固有のタイトル</title>
<meta name="description" content="ページ固有の説明">
<link rel="canonical" href="https://example.com/category/sample/">
<meta property="og:title" content="...">
<meta property="og:description" content="...">
<meta property="og:image" content="...">本文側にも、以下を含めます。
<h1>ページ固有の見出し</h1>
本文・説明文
商品一覧や記事一覧
パンくず
内部リンク
関連ページ
FAQ
問い合わせ導線特にNext.jsなどを使う場合、SEO対象ページはSSR、SSG、ISRなどを活用し、検索エンジンが初回HTMLで内容を理解できる状態にするのが望ましいです。
STEP 6:カテゴリページを「SEO用LP」として育てる
動的ページの中でも、カテゴリページは非常に重要です。
多くのサイトでは、カテゴリページが単なる一覧ページになっています。
カテゴリ名
商品や記事が並んでいるだけしかし、これでは検索意図に十分答えられません。
SEOに強いカテゴリページは、一覧ページでありながら、検索ユーザーの疑問に答えるランディングページでもあります。
たとえば、商品カテゴリページなら以下のような構成が考えられます。
H1: 制御盤用ブレーカー一覧
導入文:
制御盤用ブレーカーは、設備保護や安全対策に使われる部品です。
選び方:
・定格電流
・極数
・遮断容量
・取付方式
商品一覧:
該当商品を表示
FAQ:
Q. 制御盤用ブレーカーの選定基準は?
Q. MCCBとELCBの違いは?
関連ページ:
・漏電ブレーカー
・配線用遮断器
・制御盤部材
CTA:
選定に迷う場合はお問い合わせくださいこのように、カテゴリページを単なる自動生成ページではなく、検索意図に答える情報ページとして設計することで、移行後の成長につながります。
STEP 7:index対象とnoindex対象を明確に分ける
動的ページをすべて検索エンジンに登録させるのは危険です。
たとえば、絞り込み条件や並び替え条件によってURLが大量に生成されると、重複ページが増え、サイト全体の品質評価に悪影響を与える可能性があります。
index対象にすべきページは、検索需要があり、独自の価値があるページです。
記事ページ
商品詳細ページ
カテゴリページ
重要なタグページ
FAQページ
LP
業種別ページ
用途別ページ一方、noindexにすべきページは以下です。
サイト内検索結果ページ
並び替えだけのURL
絞り込みパラメータ付きページ
ログイン後ページ
マイページ
iframe埋め込み専用ページ
重複に近いタグページ
内容が薄い自動生成ページたとえば、動画をiframeで埋め込むためだけのページがある場合、そのページ自体をSEO対象にする必要はありません。
SEO評価を集めるべきなのは、動画の説明文、関連情報、構造化データ、CTAを持つ通常ページ側です。
STEP 8:canonicalとURLパラメータを制御する
動的サイトでは、URLパラメータが増えがちです。
/category/cable/?sort=price
/category/cable/?page=2
/category/cable/?maker=xxx
/category/cable/?color=blackこれらをすべてindexさせると、似たようなページが大量に生まれます。
そのため、代表URLを決め、canonicalを正しく設定します。
<link rel="canonical" href="https://example.com/category/cable/">基本方針は以下です。
代表URLだけをindex対象にする
パラメータURLはcanonicalで代表URLへ寄せる
必要に応じてnoindexにする
sitemapにはcanonical URLだけを載せるこれにより、検索エンジンに評価してほしいURLを明確に伝えることができます。
STEP 9:構造化データをページ種別ごとに出す
移行後のサイトでは、ページ種別ごとに構造化データを出すことも重要です。
たとえば、以下のような対応が考えられます。
ページ種別 | 構造化データ |
|---|---|
記事 | Article / BlogPosting |
商品 | Product |
FAQ | FAQPage |
パンくず | BreadcrumbList |
会社情報 | Organization / LocalBusiness |
動画 | VideoObject |
商品一覧 | ItemList |
特に、商品ページ、FAQページ、カテゴリページ、動画ページなどは、構造化データとの相性がよいページです。
検索エンジンに対して、「このページが何についてのページなのか」を明確に伝えることで、検索結果での見え方や理解されやすさが向上します。
STEP 10:sitemap.xmlを自動生成する
移行後のサイトでは、sitemap.xmlを適切に生成します。
sitemapに含めるべきなのは、検索エンジンに登録してほしい正規URLだけです。
200で返る
index対象
canonical URL
主要コンテンツがある
noindexではない
robots.txtでブロックされていない逆に、以下のURLはsitemapに含めるべきではありません。
リダイレクトURL
404 URL
noindex URL
検索結果ページ
パラメータ付きURL
ログイン必須ページ
重複ページページ数が多い場合は、以下のように分割すると管理しやすくなります。
/sitemap.xml
/sitemap-pages.xml
/sitemap-articles.xml
/sitemap-items.xml
/sitemap-categories.xml
/sitemap-qa.xml
/sitemap-lp.xml新サイト側で自動生成できるようにしておくと、記事や商品が増えても運用が楽になります。
STEP 11:公開前にHTMLを確認する
本番公開前には、ブラウザで見た目を確認するだけでは不十分です。
検索エンジンが取得するHTMLを確認するために、curlなどでページのHTMLを直接確認します。
curl -L https://staging.example.com/article/sample/確認するポイントは以下です。
titleが入っているか
descriptionが入っているか
canonicalが正しいか
H1があるか
本文がHTMLに含まれているか
内部リンクがaタグとして存在するか
JSON-LDが出ているか
noindexになっていないか特に、SEO対象の動的ページでは、ブラウザ上で表示されているだけでなく、初回HTMLの中に主要コンテンツが入っているかを確認することが重要です。
STEP 12:公開当日の切り替え手順を決めておく
公開当日は、作業順序をあらかじめ決めておきます。
推奨される流れは以下です。
1. 旧サイトを最終クロールする
2. WordPressの最新データをエクスポートする
3. 新サイトへ最終インポートする
4. 画像・添付ファイルを移行する
5. 内部リンクを新URLへ変換する
6. sitemap.xmlを生成する
7. robots.txtを確認する
8. noindex設定を確認する
9. 旧URLから新URLへの301リダイレクトを設定する
10. DNSまたはWebサーバーを切り替える
11. 主要URLの200 / 301 / 404を確認する
12. Search Consoleでsitemapを送信する
13. 主要URLをURL検査する
14. アクセスログと404ログを監視するサイト移行は、公開して終わりではありません。
公開後に問題を発見し、すぐに修正できる体制を用意しておくことが重要です。
STEP 13:公開後は404とインデックス状況を監視する
移行後1〜4週間は、Search Consoleとアクセスログを重点的に確認します。
見るべき項目は以下です。
インデックス登録状況
クロール済み - インデックス未登録
検出 - インデックス未登録
404エラー
リダイレクトエラー
canonicalの不一致
sitemapエラー
検索流入の変化
主要キーワード順位
旧URLへのアクセス特に404ログは重要です。
旧サイトに存在していたURLへのアクセスが404になっている場合、本来はリダイレクトすべきURLだった可能性があります。
その場合は、後から301リダイレクトを追加します。
旧URLへのアクセスを発見
対応する新URLを確認
301リダイレクトを追加
Search Consoleで再確認この運用を行うことで、移行後のSEO損失を最小限に抑えることができます。
サイト移行は「守り」ではなく「成長」のチャンス
多くの企業にとって、サイト移行はリスクのある作業です。
しかし、正しく設計すれば、移行は単なる守りの作業ではなく、サイトを成長させるチャンスになります。
たとえば、移行を機に以下の改善ができます。
古い記事を整理する
カテゴリ構造を見直す
FAQを独立データ化する
商品ページをSEOに強くする
カテゴリページをLP化する
内部リンクを再設計する
構造化データを整備する
問い合わせ導線を強化する
AI検索やチャットボットに活用できる情報資産に変えるつまり、サイト移行とは、過去のコンテンツをただ移す作業ではありません。
これまで蓄積してきた情報を、次の成長に使える形へ再構成する作業です。
まとめ:SEO評価を落とさないサイト移行のポイント
SEO評価を落とさずにサイトを移行するには、以下のポイントが重要です。
旧URLと新URLの対応表を作る
SEO評価のあるURLはできるだけ維持する
URL変更時は301リダイレクトを設定する
WordPress本文だけでなくSEOメタ情報も移行する
内部リンクを新URLへ書き換える
動的ページは初回HTMLに主要コンテンツを入れる
カテゴリページをSEO用LPとして設計する
index対象とnoindex対象を明確に分ける
canonicalを正しく設定する
sitemapには正規URLだけを載せる
公開後は404とSearch Consoleを監視するサイト移行で大切なのは、古いサイトをそのまま再現することではありません。
本当に大切なのは、検索エンジンから評価されていたURL、コンテンツ、内部リンク、構造を正しく引き継ぎながら、新しいサイトの成長につながる形へ再設計することです。
SEO評価を守りながら、動的ページを強化し、カテゴリやFAQ、商品情報を資産化できれば、サイト移行は単なるリニューアルではなく、事業成長のための大きな転換点になります。
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