SNS・AI・動画時代に、今ある資産と強みをどう再配置するか

SNS・AI・動画時代に、今ある資産と強みをどう再配置するか

25/11/15 20:32

#SEO #AI #動画ポッドキャスト

「SEOはオワコン」というフレーズを耳にすることも多くなった昨今、生成AIの驚異的な成長で「検索」「ググる」が減少、SEOが“効きにくくなった”世界で、中小企業は何をすべきか? AI時代のECサイト・ウェブサイト戦略とLLMOという考え方を考察します。

いま何が起きているのか

このページを読んでいる人には、改めて詳しく説明する必要もなく、「検索」「ググる」という行為は、これまで日常に溶け込みすぎていましたが、この「検索」が近年大きく変わりつつあります。従来のGoogle検索に頼った情報収集は、AIチャットやSNS、動画プラットフォームに取って代わられつつあり、「SEO(検索エンジン最適化)」という概念もまた、その前提から問い直されているのです。


【引用】

検索流入が激減HubSpotは、かつて月間2,440万のオーガニックトラフィックを誇るB2Bマーケティングの代表的存在でした。しかし、2023年3月から2025年1月の間に、そのトラフィックは約610万にまで減少し、75%の減少となりました。この主な要因は、GoogleのAI Overviews機能により、ユーザーが検索結果ページで直接回答を得られるようになり、クリック数が減少した

このような分析が多く報告されていますが、検索行動変化+SNSシフト+テーマクラスタの変動など複合的な要因が絡んでいます。特に、一般的な情報を提供するトップファネルのコンテンツが影響を受けているようです。

検索に依存した集客モデルの“終わり方”

かつては「検索上位に表示されること=集客」という方程式が成り立っていました。しかし今や、検索を介さずに情報へアクセスする経路が急速に増えています。SNSのタイムライン、YouTubeのレコメンド、TikTokの「For You」、そしてChatGPTやGeminiといったAIアシスタントによる“要約された情報”。これらはすべて、ユーザーが検索せずに情報へ到達する世界を実現しつつあります。

つまり、「検索されること」を前提としたコンテンツ設計は、以前よりメリットを享受しにくくなっています。情報は“検索されるもの”から“発見されるもの”へと進化しており、この流れの中で、従来のSEOはその役割を終えつつあるのです。

中小企業が抱える課題

AIやSNS、動画へのシフトへの対応

自社がどのチャネル(検索、SNS、動画、AI)にどの程度リソースを配分すべきか、
優先順位が決められておらず、旧来のSEO施策に惰性でコストをかけている。

ビッグキーワードSEOで勝ち目なし

これまでのSEOではビックキーワードで検索結果上位を狙えれば、大きなサイト流入(≒大きな収益)に繋がりました。しかし、これからは難しい。なぜならビッグキーワードではすでに信頼に足る情報がどのような文脈でもデータセットとして存在しており、ほぼ学習済みです。生成AIもユーザーもわざわざあなたのウェブサイトから学習する理由もなく、推論時に追加でインターネットを参照することもないからです。

キーワードプランニングの価値が下がる

AI検索では“単語”ではなく“文脈・意図”で情報が評価されるにも関わらず、
いまだに「〇〇 キーワードで1位」をゴールにしていると、ブランドとして何を語るべきか、ストーリー設計がますます難しくなる。

テキスト資産が動画時代に生かされない

これまでSEOで蓄積してきた大量のテキスト資産を、
動画やポッドキャスト、AIに理解されやすい台本として再利用できておらず、
“過去の投資”が“これからの集客”に繋がっていない。

AI・LLMO時代に必要な3つの戦略

1.ニッチ・ローカルで一次情報に注力

今後は、「ビッグ」ではなく「ニッチ」や「ローカル」にこそ勝機があります。特に以下のような分野では、AIも詳細な情報を持っていないケースが多く、一次情報を発信すること自体が価値になります。

  • 地域密着型のサービス情報(例:香川県の〇〇業者)

  • 独自の体験談や専門的なノウハウ

  • その場所・その瞬間でしか得られないリアルタイム情報

生成AI時代のSEO、あるいは「LLMO(大規模言語モデル最適化)」においては、まだ学習されていない領域での情報発信=AIにとっても新鮮で価値のある情報源となり得ます。

2.AIに引用されやすい情報構造にする(LLMO)

従来のSEOでは「〇〇〇〇」キーワードでGoogle検索1位みたいなことが価値が有りましたが。AI検索時代では、各ユーザーの過去のAIとのチャット履歴がメモリされており、質問時のキーワードだけでなく、これまでのバックグラウンドも考慮されます。

AI検索は「単語」よりも「意図」や「背景」を読み取る設計であり、GPT系は「単語一致」ではなく、「意味ベース(セマンティック)」で判断します。検索時のアルゴリズムよりも、会話中の流れや意味が重視されます。つまり、「〇〇〇〇」キーワードに対するSEO戦略・LLMO戦略を実行したとしても、短期的にその結果を実証するすべがありません。

これからはキーワードプランニングもあまり意味を持たなくなる可能性を予測しています。これを踏まえた戦略としては、

  • 単語で狙うより、文脈で語られる情報提供

  • ページごとのSEOではなく、ブランド単位での信頼構築

  • AIの回答文に「引用されやすい情報構造」を用意

が重要になります。

3.テキスト資産を動画ポッドキャストの「台本」に再利用する

AI時代、ユーザーもAIも「読む」より「観る・聴く」を求めています。
そのため、中小企業のマーケティングは 動画ポッドキャスト中心へシフトします。

難しく思われがちですが、顔出し不要・音声+スライド・3〜5分でOK。
鍵は“台本”です。

そして多くの企業はすでにSEOで大量のテキスト資産を持っています。
これを 動画の台本+LLMO最適化 に再利用すれば、次の時代の集客にも強い武器になります。

SEOは「動画やポッドキャストへの台本づくり」へのレバレッジになります。

なぜウェブサイトはそれでも「必要」なのか

AIやSNSが主流になっても、ウェブサイトは「着地点」として不可欠です。
ユーザーが最後に詳しく知りたい時、信頼を確認したい時に戻ってくる場所だからです。

さらにウェブサイトは、広告・営業・採用・信頼構築のすべてを担う “企業のハブ” です。
AI検索が進んでも、この役割はむしろ強まっていきます。

まとめ:SEOから「ウェブ資産の再構築」へ

SEOが聞きにくくなった今、必要なのはこれまで蓄積してきた資産を”新しい形に再配置”する発想かもしれません。

テキスト中心の時代が終わり、動画・AI・ローカル情報が主戦場に移る中、企業が持つウェブ資産はまだまだ活かせます。


すぐにできる実践ステップは、たった3つ。

  1. 既存の記事を3本選び、短い動画台本にする

  2. 自社にしか出せないローカル・専門的な一次情報を3本書く

  3. AIに理解されやすい構造(要点・事例・結論)でコンテンツを整理する

いわゆる「SEOオワコン」ではなく、ウェブ資産の“再構築”時代がはじまります。

新しい集客の土台は、もうあなたの中にあるのです。


Admin
真屋 明典
ビヨンドウェブ開発者(TensorFlow認定開発者)
国内外で16期連続黒字企業運営

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