ネット戦略やデジタル戦略は、もう「営業の外側」ではない

ネット戦略やデジタル戦略は、もう「営業の外側」ではない

26/03/13 23:31

「オンラインよりも、やはり直接会って話すことが大事」それはまったくもって正しい。しかし、だからといってデジタル戦略を過小評価してよいのでしょうか。特に日本国内のB2Bビジネスではまだまだネット戦略やデジタル戦略が過小評価されることがあるようです。その原因と対策を考えます。

はじめに

「やはり最後は直接会って話すことが大事だ」
B2Bの現場では、今でもそうした考え方が根強くあります。そしてそれ自体は、間違いではありません。実際、信頼関係の構築、複雑な要件のすり合わせ、継続取引の深耕といった場面では、対面でしか生まれない価値があります。


しかし今、見直すべきなのはそこではありません。


問題なのは、対面営業が大事であることを理由に、ネット戦略やデジタル戦略を“補助的なもの”として軽く見てしまうことです。
特に日本のB2Bでは、いまだに「営業が強い会社」と「オンラインに強い会社」が別物のように扱われることがあります。ですが、すでに現実はそうではありません。


顧客は会う前から調べています。
比較しています。
問い合わせる前に見ています。
そして、会った後も見返しています。


つまり、営業はもう訪問や商談の場だけで完結していません。
オンライン上に何が蓄積され、どう見え、どう伝わるかまで含めて、営業力そのものになっているのです。

なぜ日本のB2Bではデジタルが軽く見られやすいのか

日本国内のB2Bビジネスでは、今なお「営業が足で稼ぐ」「人間関係で受注する」という感覚が強く残っています。これは長年の商習慣として自然なことでもあります。実際、代理店営業や既存深耕が強い業界ほど、この感覚は合理性を持ってきました。


たとえば機器メーカーが代理店を評価するときも、今でも重視されやすいのは、訪問頻度、関係構築、提案力、案件化力、つまり見えやすい意味での営業力です。
そこに「デジタルでどれだけ顧客接点を作れているか」「どれだけ顧客理解を蓄積できているか」「どれだけ情報発信が営業活動と連動しているか」といった観点は、まだ十分に評価軸として入っていないことがあります。


ですが、本来それは切り分ける話ではありません。


デジタルは営業の代わりをするものではなく、営業の総量と精度を高める基盤です。
オンラインでの情報発信、顧客行動の可視化、問い合わせ履歴の蓄積、提案後のフォロー、FAQや事例の整備。これらがあることで、営業担当者はより良いタイミングで、より良い相手に、より良い話を持っていけるようになります。


にもかかわらず、デジタル戦略が軽視されるのは、多くの場合、それが「売上に直結する活動」に見えにくいからです。

営業とデジタルを分けて考えると、組織は弱くなる

営業が強い会社でも、その強さが個人の経験や勘、人間関係だけに依存していると、組織としては再現性が低くなります。
誰がどんな話をして、何が響き、何が失注要因だったのか。顧客はどんな課題感を持ち、何に関心を示していたのか。そうした情報が現場で発生していても、記録されず、共有されず、再利用されなければ、その営業力は組織資産になりません。


一方で、オンライン施策だけを独立して進めても、そこに営業現場との接続がなければ、アクセス数や問い合わせ数だけが並ぶ、実務に使いにくい活動になりがちです。
資料請求や問い合わせが増えても、営業側がその温度感を判断できなかったり、過去接点とつながらなかったり、対応履歴が蓄積されなかったりすれば、せっかくのデジタル接点も成果につながりません。


つまり、


営業だけでも足りない。
デジタルだけでも足りない。


必要なのは、両者が最初からひとつの流れとして設計されていることです。

「EC化」とは、ただECサイトを作ることではない

このカテゴリを「EC化のすすめ」としている理由も、まさにそこにあります。
ここでいうEC化とは、単にカートを付けてオンライン購入を可能にすることだけではありません。


企業活動の中にある
「伝える」
「見つけてもらう」
「比較される」
「問い合わせを受ける」
「対応する」
「履歴を残す」
「次の提案につなげる」
という一連の流れを、デジタル上で扱える状態にしていくことです。


B2Bでは、すぐにその場で購入されない商品や、個別見積が前提の商品も多くあります。だからこそ、EC化の本質は「決済のオンライン化」よりも、顧客接点と商談前後の情報流通を整えることにあります。


見込み客がどのページを見たのか。
何に関心を持ったのか。
問い合わせ前にどんな情報に触れたのか。
商談後に何を見返したのか。
どんなやりとりが残っているのか。


これらが見えず、残らず、次に活きない状態では、営業もデジタルも分断されたままです。

オンラインで強いことは、営業力を弱めるどころか強くする

よくある誤解に、「オンラインに力を入れると、人間味が薄れる」「対面営業の価値が下がる」というものがあります。
しかし実際には逆です。


オンラインで情報が整っている会社は、対面でも強くなります。
なぜなら、顧客が事前に理解を深めた状態で会えるからです。営業担当者も、相手の関心や履歴を踏まえて話ができるからです。さらに、商談後のフォローも、属人的な記憶ではなく、共有可能な情報として扱えるからです。


つまり、オンラインの強さは、営業を不要にするのではなく、営業をより深く、より速く、より再現性のあるものに変えるのです。


これからの時代に必要なのは、「営業が強い会社」か「デジタルが強い会社」かではありません。
営業活動そのものが、デジタルと接続されている会社です。

ビヨンドウェブが目指しているもの

ビヨンドウェブは、営業の代わりをするためのものではありません。
また、単なるホームページ作成ツールや、単体のECシステムでもありません。


ビヨンドウェブが目指しているのは、
オンラインで強いことと、営業が強いことを両立させることです。


情報発信を行う。
顧客の反応を把握する。
問い合わせや会話を蓄積する。
見込み度を見極める。
必要な相手に優先順位をつける。
対面営業につなげる。
その結果をまた組織の情報資産として残す。


この循環ができれば、営業は勘と根性だけの活動ではなくなります。
デジタルも、見栄えのよい飾りではなくなります。
両者がひとつの仕組みとしてつながったとき、企業の競争力は大きく変わります。

デジタルを軽視する企業が見落としやすいこと

デジタル戦略を軽く見る企業は、しばしば「うちは紹介と営業で成り立っているから大丈夫」と考えます。
それ自体は現時点で事実かもしれません。ですが、問題は“今どうか”だけではありません。


既存顧客との関係が続いている間はよくても、世代交代、担当者交代、新規市場への進出、採用競争、情報収集行動の変化が起きたとき、オンライン上に何も蓄積されていない企業は急に弱くなります。


顧客に見つけてもらえない。
比較の土台に乗れない。
選ばれる理由が伝わらない。
問い合わせが来ても活かしきれない。
営業ノウハウが属人化したまま消えていく。


これは、営業力が足りないというより、営業力を組織として残す仕組みが足りないということです。

まず進めるべきは、大がかりなDXではない

必要なのは、いきなり壮大なDXを掲げることではありません。
まずは、今すでに日々発生している顧客接点や情報を、きちんと残し、つなぎ、活かせるようにすることです。


どんなページが見られているのか。
問い合わせの前後で何が起きているのか。
どの顧客が何に関心を持っているのか。
営業現場のやりとりが、誰の中にだけ残っているのか。
商談後の情報提供が、どれだけ標準化できているのか。


そうしたところから整えるだけでも、営業の質は変わります。
そしてそれは、「営業か、デジタルか」という話ではなく、営業を強くするためのデジタル化です。

これからのB2Bで問われるのは、両立できるかどうか

対面は大事です。
営業も大事です。
その前提は変わりません。


ただし、その営業が本当に強いかどうかは、
オンライン上でも見つけてもらえるか。
比較されても負けないか。
顧客理解を蓄積できているか。
問い合わせや会話を次に活かせるか。
組織として再現できるか。
という問いと、もはや切り離せません。


これからのB2Bで問われるのは、
オンラインで強いことと、営業が強いことを両立できるかどうかです。


ビヨンドウェブは、そのための基盤です。
営業を否定するためではなく、営業の価値をもっと高めるためにあります。
デジタルを飾りではなく、現場で使える力に変えていく。
その積み重ねが、これからの競争力になっていきます。



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