SEOには営業力が必要!? 被リンク営業視点で考える最新SEOと営業戦略
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「SEO対策って、キーワードを詰め込んで、テクニカルな設定をゴニョゴニョやるだけでしょ?」もしあなたがそう思っているなら、大きな間違いです。この記事ではGoogle等の検索エンジンやChatGPT等のAIが「ウェブページの信頼性をどのように評価するか」の視点から「SEO」と「営業力」の関係性を解説します。
被リンクは昔も今も最重要シグナル
Googleをはじめとする検索エンジンは、ウェブページの信頼性と権威性を評価する上で、被リンク(他のウェブサイトからのリンク)を非常に重要な指標としています。これは、現実世界における「評判」や「推薦」に近い概念で、多くの信頼できる第三者からリンクされているページは、「それだけ価値のある情報を提供している」と判断されるため、検索結果で上位表示されやすくなります。
被リンクが重要な3つの理由
- 信頼性の証明: 他のウェブサイトからのリンクは、そのサイトがあなたのコンテンツを「信頼できる」「価値がある」と認めている証となります。特に、権威性の高いサイト(公的機関、業界団体、ニュースサイトなど)からの被リンクは、あなたのサイトの信頼性を大きく向上させます。
- 権威性の向上: 多くの質の高い被リンクを獲得することで、あなたのサイト全体の権威性(ドメインオーソリティなど)が高まります。これは、あなたのサイト内の他のページが新しく公開された際にも、良い影響を与える可能性があります。
- 新たなトラフィックの獲得: 被リンク元のサイトを訪れるユーザーが、リンクを通じてあなたのサイトに流入する可能性があります。これは、新たな顧客や潜在顧客との接点を生み出すチャンスとなります。
被リンク獲得への道筋
被リンクは、検索エンジンや検索AIが信頼性を可視化するために利用している最も強いシグナルの一つと言って差し支えないと思います。ただし、今では昔と違い、他の優良サイトがあなたのサイトが良いサイトだがら、良い記事だからリンク貼ろう、と言ってリンクを貼ってくれることはまずありません。
それでは、被リンク獲得のために、何をやるのか? → それが「営業」なのです。
能動的な「被リンク営業」
このように重要な被リンクを獲得するための能動的な活動が、いわゆる「被リンク営業」です。これには、以下のような活動が含まれます。
- コンテンツ提供: 他のサイト運営者に対して、ゲスト投稿や共同コンテンツの作成を提案し、記事内で自社サイトへのリンクを挿入してもらう。
- 情報提供: 業界ニュースや調査データなどを他のメディアに提供する際に、情報源として自社サイトへのリンクを掲載してもらう。
- 相互リンク: 関連性の高い信頼できるサイトと相互にリンクし合う(ただし、過度な相互リンクはスパムとみなされる可能性もあるため注意が必要)。
- レビューや推薦: 自社の商品やサービスが紹介されている記事やレビューサイトに、自社サイトへのリンク掲載を依頼する。
- イベントやセミナーへの協賛: イベントやセミナーの公式サイトに、協賛企業として自社サイトへのリンクを掲載してもらう。
これらの活動は、時間と労力を要しますが、質の高い被リンクを獲得するためには有効な手段となります。
通常の営業活動を「一石二鳥の被リンク営業」に変える戦略
しかし、日々の通常の営業活動や顧客対応を少し工夫することで、意識的に被リンク営業を行わなくても、自然な形で被リンク効果を得ることができます。これは、より効率的で持続可能な戦略と言えるでしょう。
✅️ 顧客への価値提供とサイトの積極的な活用
- 事例紹介の徹底と公開: 商品の詳細やソリューションの事例を詳細にまとめ、自社サイトで積極的に公開します。営業担当者は、商談時や提案時にこれらの事例ページを顧客に共有することで、顧客が情報に価値を見出せば、自社でその情報をウェブサイトや資料で紹介する際に、あなたのサイトへのリンクを貼る可能性が高まります。
- 専門知識・ノウハウの共有: 顧客が抱える課題解決に役立つ専門的な情報やノウハウをブログ記事やホワイトペーパーとして公開し、営業担当者は顧客への情報提供の際に積極的に活用します。顧客がその情報を社内や関連会社に共有する際に、情報源としてリンクされる可能性があります。
- 動画での情報提供: 自社サイト上で提供される動画での有益な情報は、視覚的に分かりやすいだけでなく、テキストや画像情報のようにコピー・アンド・ペーストで情報を持ち出せないため、情報源としてリンクされる可能性が飛躍的に高まります。
✅️ 関係構築と情報発信の意識改革
- 業界団体やパートナー企業との連携強化: 業界団体への積極的な参加や、パートナー企業との協業を通じて、互いのウェブサイトで事例紹介や共同セミナー情報などを発信する際に、自然な形でリンクを交換する機会を増やします。
- プレスリリースの積極的な配信とサイトへの誘導: 新製品・サービスの発表、イベント開催、受賞などのプレスリリース配信時に、詳細情報を自社サイトで公開していることを明記し、リンクを掲載します。メディア関係者が記事を作成する際に、情報源としてあなたのサイトにリンクを貼る可能性があります。
- セミナー・イベントでの資料共有とサイトへの誘導: 自社で開催するセミナーやイベントの資料をウェブサイトで公開し、参加者や後日問い合わせがあった顧客に共有します。参加者がブログやSNSでイベントの感想を発信する際に、資料へのリンクとしてあなたのサイトが言及される可能性があります。
✅️ 顧客体験の向上と共有の促進
- 質の高いコンテンツの作成: 顧客にとって本当に役立つ、深く掘り下げた質の高いコンテンツは、自然とSNSでシェアされたり、他のサイトで引用されたりする可能性が高まります。
- シェアボタンの設置と共有のお願い: ウェブサイトやブログ記事にSNSシェアボタンを設置し、顧客に対して積極的にコンテンツの共有を促します。SNSでの言及は、間接的な被リンク効果(nofollowリンクであっても認知度向上に繋がる)や、他のサイトからの自然な被リンク獲得のきっかけになることがあります。
まとめ:「価値提供」と「積極的な活用」が自然な被リンクを生む
被リンクは、ウェブサイトの信頼性と権威性を高める上で不可欠です。能動的な「被リンク営業」は有効な手段ですが、一般的な業種では実行が難しいのが現実です。日々の営業活動や顧客対応において、「顧客に価値を提供する」という意識を持ち、自社サイトを積極的に活用することで、意図せずとも自然な形で被リンク効果を得ることができます。
通常の営業活動を「一石二鳥の被リンク営業」に変えるためには、顧客にとって有益な情報を発信し、それを営業活動のあらゆる場面で活用するという視点が重要になります。この戦略を実行することで、通常業務の中でにSEO効果を指数関数的に高め続けることが可能になり、ビジネスの成長を加速させることができるでしょう。
ここまでご覧いただけたなら「SEOには営業力が必要」な理由がなんとなくはご理解いただけたのではないかと思います。
しかしながら、この戦略を実行するための土台となる「営業で活用できる有益な自社サイト」が存在しなければ、絵に描いた餅となってしまいます。そして、多くの企業にとって、この土台作りこそが最も難しい課題であることは間違いありません。
なぜ、営業で活用できる有益な自社サイト作りが難しいのでしょうか?その背景には、いくつかの要因が考えられます。
営業で活用できる有益な自社サイト作りが難しい理由
目的の不明確さ:
多くの企業が「とりあえずホームページは持っておくべき」という意識でサイトを作成するため、具体的な目的やターゲット顧客が曖昧なままになりがちです。結果として、誰にとって何の役に立つのか分からないサイトになってしまいます。
コンテンツ作成の負担:
質の高いコンテンツを継続的に作成するには、時間、労力、そして専門知識が必要です。特に中小企業では、リソースが限られているため、コンテンツ作成が大きな負担となり、途中で頓挫してしまうケースも少なくありません。
営業部門との連携不足:
Webサイトの企画・制作・運用をWeb担当者や外部の制作会社に任せきりにしてしまい、実際に顧客と接する営業部門のニーズや顧客の声が反映されないことがあります。結果として、営業現場で本当に役立つ情報がサイトに掲載されず、活用が進まないという悪循環に陥ります。
SEOの知識不足:
検索エンジンからの流入を意識したコンテンツ作りができていないため、せっかく有益な情報を作成しても、顧客に見つけてもらえないというケースがあります。
効果測定と改善の不足:
サイト公開後、アクセス状況や顧客の行動を分析し、改善に繋げるPDCAサイクルが回せていない企業が多く見られます。そのため、サイトが陳腐化し、顧客のニーズとのずれが大きくなってしまいます。
技術的な障壁:
SEO対策や使いやすいサイトデザイン、セキュリティ対策など、専門的な知識が必要となる技術的な課題も、多くの企業にとってハードルとなります。
予算の制約:
高品質なサイト制作や継続的なコンテンツマーケティングには、相応の予算が必要です。特に中小企業では、予算が限られているため、理想的なサイト作りが難しい場合があります。
この難題を乗り越えるためのステップ
これらの課題を乗り越え、営業で活用できる有益な自社サイトを作るためには、以下のステップで取り組むことが重要です。
明確な目的設定とターゲット顧客の定義:
- 「誰に」「何を伝え」「どのような行動を促したいのか」を具体的に定義します。
- ターゲット顧客の属性、課題、ニーズ、情報収集の方法などを深く理解します。
営業部門との密な連携:
- 営業担当者から顧客の生の声やニーズをヒアリングし、サイトに掲載すべき情報を洗い出します。
- 営業担当者が実際に顧客に提案する際の資料やトークスクリプトを参考に、サイトコンテンツを企画します。可能な場合は、営業資料自体をサイトページ化する。
- 営業担当者がサイトのどの情報をどのように活用できるかを具体的にイメージし、共有します。
顧客視点でのコンテンツ企画:
- ターゲット顧客が検索するであろうキーワードを調査し、そのキーワードに合致する、顧客の課題解決に役立つコンテンツを企画します。
- 事例紹介、ノウハウ解説、FAQ、製品・サービスの詳細情報など、多様な形式で顧客にとって価値のあるコンテンツを作成します。
SEOを意識したコンテンツ作成:
- キーワードを適切に含めるだけでなく、コンテンツの質、構成、読みやすさ、専門性などを高めます。
- 内部リンクを最適化し、関連性の高い情報同士を結びつけます。
使いやすいサイト設計と導線設計:
- 顧客が求める情報にスムーズにたどり着けるよう、分かりやすいナビゲーションと検索機能を実装します。
- 問い合わせや資料請求などのコンバージョンポイントへの導線を最適化します。
- スマートフォンやタブレットなど、様々なデバイスからのアクセスに対応したレスポンシブデザインを採用します。
効果測定と改善サイクルの確立:
- Google Analyticsなどのツールを活用して、サイトのアクセス状況、顧客の行動、コンバージョン率などを定期的に分析します。
- 分析結果に基づいて、コンテンツの改善、サイト構造の見直し、導線の最適化などを継続的に行います。
無理のない範囲での継続的な運用体制の構築:
- 内製化が難しい場合は、信頼できる外部パートナーの力を借りることも検討します。
- コンテンツ作成のスケジュールを立て、無理のない範囲で定期的な情報発信を目指します。
- SNSとの連携も視野に入れ、情報拡散と顧客との接点拡大を図ります。
経営層の理解と協力:
- Webサイトが営業活動やマーケティング全体において重要な役割を担うことを経営層に理解してもらい、必要なリソースを確保してもらうことが不可欠です。
まとめ
「営業で活用できる有益な自社サイト作り」は、決して簡単な道のりではありません。多くの企業が課題を感じているように、時間と根気が必要な取り組みです。
しかし、焦らずに上記のステップを着実に実行していくことで、必ず成果は現れます。まずは小さな一歩から始め、営業部門との連携を強化し、顧客にとって本当に価値のある情報発信を目指していくことが、この難題を乗り越えるための最も重要な考え方と言えるでしょう。
真屋 明典
ビヨンドウェブ開発者(TensorFlow認定開発者) 起業家・国内外で15期連続黒字企業経営